加齢によるひはく化は予防できる?!

シミ

 

最近なんだか肌の質感が変わった気がする・・・

かゆみや赤みがでてきて、前より敏感肌になった気が・・・

このように感じている方も感じられない方も、
加齢により、皮膚が薄くなる現象「ひはく化」は起きているのです。

感じ方や出る時期にはもちろん個人差があるのですが、
ひはく化とは、肌老化の原因でもあり、主な原因は加齢による女性ホルモンの減少といわれています。

女性ホルモンが減り始める年齢は一般的に、28〜30歳頃といわれていて、
それ以降は急激に女性ホルモンが減少します。

よって皮膚のひはく化が進むのは40代以降に多くみられるのです。

「なんだ、ひはく化は40歳以降だからまだ大丈夫」とはいっても、
すでに徐々にでも女性ホルモンは減少していっているのです。
ひはく化は、加齢によって進行するため、完全に食い止めることはできませんが、
40代になってひはく化を急速に促進させるよりは、今からでも対策をとることで
ある程度のひはく化症状を抑え、肌トラブルの予防をすることもできるので、
ぜひ今日からひはく化対策をしていきましょう。

その対策方法を今回ご紹介しますね。

 

皮膚のひはく化とは?

ひはく化とは皮膚が薄くなることをいいます。主な原因は、加齢による女性ホルモンの減少です。

年齢とともに肌弾力の元である、真皮層のコラーゲンやエラスチンの量が減少し、肌細胞を作り出す力も衰え、表皮も薄くなるため、皮膚自体が薄くなってしまうのです。

また菲薄化は本来、加齢による影響がほとんどですが、近年、20代の若年層でも菲薄化症状がみられるようになりました。

年齢関係なく肌の菲薄化が進んでしまう原因としては、乾燥や皮膚への摩擦など間違ったスキンケア方法によるものやステロイドの長期使用による副作用などの影響もあるようです。

健康な肌と菲薄化を比較した断面図の画像

ひはく化が進行するメカニズム

女性ホルモンは20代がピークで、30歳を超えてから減少し、更年期以降はますます分泌量が低下します。

女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の物質が存在し、
エストロゲンが肌の若さや美しさを保っています。

このエストロゲンが減少することで、肌のハリや潤いなどが失われ、
シミやシワ、たるみなどの肌老化にもつながってしまうのです。

肌の奥にあるコラーゲンやエラスチンが減少し、それにより表皮にも影響を及ぼします。

ではひはく化が進むことで肌の奥と表面はどのよう変化していくのかをご説明します。

真皮の厚みがなくなる

女性ホルモンのエストロゲンは、コラーゲンやエラスチンなどの生成を促進させる作用をもっています。

エストロゲンが減少することで、コラーゲンやエラスチンの量も減少し、
真皮を構成する成分がさまざまな変化を起こすことにより、
肌表面の細胞を支える機能も低下し、ハリや弾力がなくなります。

表皮が薄くなる

真皮層のコラーゲンやエラスチンが減少することで、新しい表皮の細胞もうまく作られなくなります。

細胞のそのものの能力が低下し、分裂がうまくできずに回数が少なくなって、ターンオーバーが遅くなるのです。

ターンオーバーは成人では通常28日前後であるのに対し、40代になると約40日かかるといわれています。

ターンオーバーの周期が遅くなることにより、角質は面積が増加し厚くなりますが、
角層以下の表皮が薄くなることで、皮膚が薄くなっていきます。

 

ひはく化による肌への影響

ひはく化した肌には、乾燥や炎症による赤みなど、少しづつ肌トラブルがおきてくることもあります。
ひはく化により起こる肌トラブルは大きくわけて以下の4つが考えられます。

肌の乾燥

コラーゲンの量が減少すると、ターンオーバーが乱れてしまうため、
ターンオーバーの過程でつくりだされる保湿成分が減少してしまいます。

肌には外的要因の侵入を防ぎ、内部の水分を保つバリア機能という働きがあります。

セラミドはこのバリア機能を維持する重要な役割をもっており、
そのセラミドが不足してしまうことで、バリア機能が正常に機能しなくなり、
肌に水分を保持することができず、乾燥を招いてしまっているのです。

 

赤み

皮膚の真皮層には毛細血管が密集しています。

毛細血管は通常、皮膚の表面からは見えないのですが、ひはく化している肌などは、
皮膚の表面の皮が薄いと透けて見えるために、赤く見えてしまいます。

特に鼻や頬の皮膚は薄いため、赤くなりやすいです。

 

炎症

皮膚が薄くなると外敵から身を守るための免疫力が低下するため、
些細な刺激でもダメージを受けやすい状態です。

この状態が長く続くことにより、炎症増悪たんぱく質(悪性のたんぱく質と呼びます)
という成分が皮膚の表面上で生成されるようになります。

悪性のたんぱく質は、肌の免疫システムが働いた際に増加する成分で、
肌の赤みや湿疹の原因になるとされています。

また、悪性のタンパク質が増加するとサイトカインと呼ばれる成分も同時に増加し、
こちらも肌の赤みや湿疹の原因になるとされています。

さらに、サイトカインは悪性のたんぱく質を増加させてしまう働きがあるため、
お互いが増加し合うような悪循環になり、肌の赤みが余計に悪化してしまいます。

炎症を起こした肌は、かゆみやヒリヒリとした刺激を感じることもあります。

 

 

シワ・たるみ

女性ホルモンの減少が原因であるひはく化は、エストロゲンが減少することで、
コラーゲンやエラスチンの量も減少し、肌弾力が低下してしまうため、
若いふっくらとした柔らかさが失われ、シワが目立ちやすくなります。

さらに肌のハリや弾力がなくなることで、重力によって皮膚が下がり、たるみの原因にもなります。

では、女性ホルモンと似たコラーゲンを増やすことが出来れば、ひはく化を予防できるのでは?
ということでコラーゲンを増やす方法を調べてみました。

 

ひはく化予防対策

女性ホルモンの低下を抑える

ホルモンバランスを整えるには、栄養バランスのとれた食生活や規則正しい生活、
ストレスを溜めないことなどに気をつけるとよいでしょう。

また過度の飲酒や喫煙も望ましくありませんので、なるべく控えるようにしましょう。

ビタミンE

 

ビタミンEは「老化防止ビタミンE」ともいわれ、女性にとっては欠かせない栄養素です。

血液循環を促し、ホルモン分泌や自律神経を調整する働きがあります。

《ビタミンEを多く含む食品》

  • ニラ
  • 小松菜
  • カボチャ
  • アーモンド
  • ブロッコリー
  • さつまいも
  • 赤ピーマン
  • ほうれん草
  • ひまわり油

 

 

《食べる時のポイント》

これらは油に溶けやすい脂溶性ビタミンなので、
肉や魚といった脂肪のある食品と一緒に摂取すると、より吸収が良くなります。

またビタミンCと一緒に摂ることにより、活性酸素を防ぎ、抗酸化作用が増します。
そして新陳代謝を促し、自然治癒機能を高める作用もあります。

 

大豆イソフラボン

 

大豆イソフラボンは大豆に含まれるポリフェノールの一種で、
女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをしてくれます。

卵胞ホルモンとも呼ばれるエストロゲンは、生理周期を正して妊娠に備えたり、
女性らしい体を作るのに欠かせないホルモンですが、加齢ととも減少してしまいます。

しかし、大豆イソフラボンを摂取することでエストロゲンと同様の働きが得られるため、
女性ホルモンの減少により影響を受けた肌にはうってつけの成分となります。

大豆イソフラボンは納豆、大豆飲料、豆腐、油揚げなどにも含まれています。

納豆なら1日1パックを、豆腐なら半丁を目安に摂取しましょう。

 

 

ホルモンバランスを整える生活習慣

心と体を休める

 

過労やストレスとホルモンバランスの乱れは密接な関係にあり、互いに作用し合います。

しっかり休息をとり、ぬるめのお湯にゆっくり半身浴で浸かるなど、マッサージやストレッチなどの簡単な運動がおすすめです。

気分転換になる程度に、自分をいたわりながら心と身体を休めてあげましょう。

 

運動不足の解消

適度な運動は自律神経を活性化させ、ホルモンバランスを正常に整えてくれます。

毎日少しずつでも良いので、身体を動かすようにしてみましょう。

ウォーキングや散歩などの軽い運動だけでも効果は十分に期待できます。

 

喫煙やアルコール

血行を悪くさせ、卵巣の働きを悪くさせるタバコは控えた方が良いでしょう。

また大量の飲酒を長期間続けるとホルモンのバランスが崩れ、
生理周期が乱れたり、閉経の時期が早まることが分かっています。

 

質の良い睡眠

睡眠不足になると脳の機能が正常に働きにくくなり、女性ホルモンの分泌が乱れてしまうことがあります。

生理前になるといつもよりも眠気を感じやすくなったり、反対に寝つきが悪くなったりすることなども、
女性ホルモンの作用が睡眠へ影響していると言えます。

そこで女性ホルモンを高める睡眠をとるためのポイントをご紹介します。

【質の高い睡眠をとるポイント】

  • 起床就寝時間を一定にする。
  • 睡眠時間は最低でも6時間以上はとる
  • 日中は朝から光をたくさん浴びて、なるべく体を動かすように心がけましょう。
  • 夜間の激しい運動や、遅い時間の食事は質の高い睡眠の妨げになるため控えましょう。
  • 夜の入浴は、38~39度くらいのぬるま湯に20分ほど浸かる程度にし、
    十分にほてりを冷ましてから寝ましょう。

 

お肌のお手入れ

 

ひはく化している肌に摩擦などの刺激や負担をかけてしまうと、
ますます皮膚が薄くなってしまうので、日ごろのスキンケアを丁寧にするよう心がけましょう。

クレンジングはミルクタイプを

オイルクレンジングやふき取りタイプ、オイルジェルは洗浄力が強く、
乾燥させてしまうので、使用は避けた方が良いでしょう。

そのためクレンジングは、肌に負担がかかりにくいミルクタイプがおすすめです。

 

洗顔時のNGポイント

熱いお湯で洗う

使用するお湯は32度くらいのぬるま湯がベストです

指でこすりすぎている

汚れを落とすために、ゴシゴシと擦ってしまうと肌に摩擦を与えてしまうためやめましょう。

直接手で触れるというよりは、洗顔をする際は泡をクッションにして洗うイメージで行いましょう。

洗顔時間

やさしく丁寧に時間をかけて・・・と洗顔されている方は要注意です。
洗顔時間は長くても1分以内におさめるようにしましょう。

長く洗顔してしまうと乾燥の原因となってしまいます。

 

スキンケア

パッティング

皮膚が薄いとパンパン叩くことも刺激となります。
浸透させるときは、やさしくハンドプレスしましょう。

コットンで付ける場合

コットンの素材によりますので一概には言えませんが、
敏感肌の方は少しの摩擦でも肌にかなりの負担をかけてしまうこともあるため、
できるだけ、自分の手で直接お手入れすることがおススメです。

 

食材で美肌をつくる

タンパク質・良い油を摂取

薄くなってしまった肌を回復させるには、やはり食生活が非常に重要となります。

中でも肌の材料となるタンパク質や細胞膜を強くして
肌の水分量を高めるオメガ3系脂肪酸(魚油、えごま油)の摂取は必要不可欠となります。

タンパク質の目標摂取量は、
女性の場合、1kg=gなので、体重50kgの方であれば1日50gが目標数値となります。

そのためお肉や魚、卵や乳製品などを積極的に食べましょう。

 

中でも特におススメなのが鮭です。

鮭は健康には欠かせないたんぱく質、オメガ3脂肪酸、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、ミネラルが豊富に含まれています。

美容効果が非常に高い鮭は週に1度は取り入れると良いでしょう。

 

ひはく化は年齢関係ない?!

皮膚のひはく化は加齢によるものなのですが、若い人でも年齢は関係なくひはく化状態になってしまうこともあります。

若い方でもひはく化を引き起こしてしまう原因は主に2つあります。

 

間違ったスキンケア方法

洗顔の際クレンジングでの洗いすぎや擦りすぎ、
過剰な角質ケア(ピーリング)が皮膚を薄くする原因になります。

またマッサージや美容ローラーなどを使用する際、
オイルなどを十分に塗布せずに行うことも皮膚にダメージを与え、ひはく化症状が起きる原因となります。

角層のバリア機能を保持するためにも、日々の適切な洗浄と保湿が重要となります。

 

薬の副作用

ステロイド外用薬を通常使用する量以上を長期にわたって使用した場合に副作用がでることもあります。

ステロイドはアレルギーを抑える代わりに皮膚の細胞増生も押さえてしまう働きがあります。

適切な量を使用目的の範囲内で使っていれば問題はないのですが、
必要以上に強いものを長期に渡って使っていると、
皮膚細胞の増殖が抑制され皮膚が薄くなってしまうこともあるため、使用する際は注意が必要となります。

 

まとめ

ひはく化は加齢によるものなので、防ぐことはできませんが、
これらのことを行い、少しでも穏やかにすることはできますので、
将来の自分の肌を助けるためにも、今からしっかりと対策をとっていきましょう!